【自ら最適ルートを考え出す!】オムロン人工知能(AI)搭載の自動搬送ロボット「モバイルロボットLD」発売

オムロンより、人や障害物を自動で回避しながら最適なルートを自ら考え、決められた場所に荷物を届ける搬送ロボットを2017年1月発売開始します。

1.労働人口の減少、重労働からの解放に貢献!

日本をはじめ先進国では労働人口が減少し、新興国では人件費が高騰しています。
またモノづくりの現場では、作業者の小さなミスが大きな品質トラブルや、生産性の低下につながるなど、解決すべき課題が山積みとなっています。

今回ご紹介する「モバイルロボットLD」は、モノを移動させるという単純・単調で重労働な作業から人々を解放し、より創造的な分野での仕事に従事してもらうことで生産性や品質の向上といった社会的課題の解決に貢献します。

2.人や障害物を自動で回避しながら、最適なルートを自ら考える

オムロンが2017年1月に発売する、独自の人工知能(AI)技術を搭載した「モバイルロボットLD」は、自動車や電子部品、食品・医療品などのモノづくりの現場をはじめ、研究施設、物流倉庫など様々な屋内空間において、人や障害物を自動で回避しながら最適なルートを自ら考え、決められた場所に荷物を届ける搬送ロボットです。


下の「OEMタイプ」は上部にユーザー自らがキャビネットやコンベアなどを取り付けることで使用環境に合わせた最適な自動搬送を実現します。

c1003_2_a
ユーザーカスタマイズタイプ「OEM」
c1003_2_b台車付オールインワンタイプ「カートトランスポーター」


内蔵するレーザースキャナーで動作環境を測定し、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術によって、移動可能な範囲の地図を自動的に作製。
地図とレーザースキャナーの測定結果を照らし合わせて自らの位置を特定しながら、人や障害物をどのように動いて避けるかをリアルタイムに考え、ぶつかることなく、最大130Kgの搬送物を運びます

さらに、カメラオプションを搭載することで、物流倉庫など頻繁に荷物の位置が変化する環境にも柔軟に対応します。

3.人や設備を固定しない、フレキシブルなモノづくり現場の実現を目指して

omron_ldimage 世界中で人々のニーズが多様化し製品サイクルが短期化する中、モノづくりの現場では、生産する品目が変わるたびに生産ラインの組み換えが必要となっています。

「モバイルロボットLD」は、ソフトウェア上でゴールを指定するだけで自動的に最短ルートを判断し、人や障害物を自動で回避できるため、人と通路を共有した部材の搬送を実現。

国際的な安全規格(CE, ANSI, JIS準拠)にも準拠し、人との安心・安全な協働作業が行えます。

ユーザーは最大100台の「モバイルロボットLD」を1台のコントローラで管理できるため、最適な配送管理が行え、既存の生産設備と組み合わせることで、需要の変動に合わせて生産ラインのレイアウト変更や立ち上げをフレキシブルかつスピーディに行うことが可能となります。

4.オムロンが目指す「人と機械の新たな協調」とは?

オムロンでは、機械が人間の動きや考えを理解し、アシストするような“人と機械の新たな協調”(interactive)がオートメーションの進む未来であると考え、「モバイルロボットLD」など各種ロボットを活用した製造業のための新しいロボットソリューションの創出に取り組んでいます。

「モバイルロボットLD」は、IoT時代の新たなモノづくりとして期待される消費者個人のニーズや嗜好、タイミングに合わせて高品質な製品を生産・供給する「マスカスタマイゼーション」の実現のカギとなるロボットです。

生産ラインが生産する品目に合わせて自動的に構成を変更する、フレキシブルなモノづくり現場を実現する上で重要な役割を担います。

オムロンは、これからも、さまざまなニーズ、課題を抱える生産ラインへソリューションを提供し、人と機械が安心して協働できるスマートな工場で、生産性と品質を革新し続けます。