オムロンが目指す “人の能力を引き出す” 未来のモノづくり現場とは?
オムロンは、FA機器にAI/IoT技術を2020年までに順次搭載し、熟練技術者の不足、人件費高騰などモノづくり現場が抱える社会的課題の解決に取り組んでいくと発表しました。熟練技術者が持つ知見や勘をAIに置き換えることで、“機械が人の能力・創造性を引き出す”未来のモノづくり現場の実現に取り組みます。
オムロンは世界唯一で世界最先端のFA機器メーカー
オムロンは、センサー等の入力機器からモーター等の出力機器、安全対策機器やロボットに至るまでモノづくり現場をオートメーション化するために必要な全ての機器を自社で保有する「世界唯一のFA機器メーカー」です。これまで、プログラマブルロジックコントローラーのアーキテクチャーを情報化に適したソフトウェアベースに刷新すると共に、EtherCAT®やIO-Linkなどオープンなネットワークを積極的に活用するなど、常に世界最先端の情報技術によるメリットを顧客企業に提供し続けてきました。
オムロンは、長年こうした顧客の現場課題を解決するためのFA機器を開発してきた経験とノウハウから、モノづくり現場における熟練技能のAI化には、機器ごとに最適なAIアルゴリズムを選定し実装していくことが必要であると考えています。
オムロン製品のAI/IoT化スケジュール
◆2015年10万点におよぶFA機器を全てIoT対応することを表明
関連機器の発売を開始すると共に、AI搭載型モバイルロボットなどの各種産業用ロボットや世界最高水準のモーション制御技術を獲得しグローバルに提供しています。 ◆2017年4月
業界初となるAIを搭載した温度調節器を発売
世界屈指の幅広いFA機器のラインアップにAIやIoT、ロボティクスなどの技術を組み合わせ、モノづくり現場の課題を解決するための商品や技術を強化しています。 ◆ 同じく4月「AI搭載マシンオートメーションコントローラーを開発」を発表
現在は、オランダや中国、日本などの自社や、顧客の工場の現場において、各種FA機器へのAIアルゴリズムの搭載や生産現場でのIoT活用に向けた実証実験を進めています。
装置の異常を推定・分析し、装置異常に関する因果関係の知見を高め、2018年からのサービス提供を含めた商品化を目指しています。
生産ラインや装置を制御するプログラマブルロジックコントローラー機能と、AI処理機能をリアルタイムに融合させた、業界初のAI搭載コントローラーです。
【AI搭載コントローラーによる、生産現場でのAI活用プロセスイメージ】
- オムロンが誇る幅広いセンサー機器群を用いて、マイクロ秒単位で刻々と変化する装置や生産ラインの振動、温度などのセンシングデータとモーター等の出力データを時系列にリアルタイム収集
- 時系列データを基に、正常時または異常時の特徴量をリアルタイムに生成
- 特徴量データを蓄積し、因果分析後、機械学習モデルを作成
- 作成したモデルデータを基に、リアルタイムに状態監視や制御へのフィードバックを実現。
機械の“いつもと違う動き”を推定することで、異常が発生する前に安全に装置やラインを制御します。
◆今後は・・・
IoTやAI技術をモノづくり現場で「道具」として顧客が活用できるよう、マシンオートメーションコントローラーに加えセンシング機器などにも最適なAIアルゴリズムを実装し2020年までにFA機器のAI/IoT化を完了する計画です。
オムロンは、こうしたオムロンならではのAI搭載機器やIoT化を通じて装置やラインの状態や製品の品質を保全し、“不良を作らず、止まらない”ものづくり現場を実現することで熟練技術者の不足、人件費高騰などモノづくり現場が抱える社会的課題の解決に取り組んでまいります。