【規格】車載電子システムの機能安全規格「ISO 26262」

「ISO 26262」は自動車の電気・電子に関する機能安全についての国際規格です。完成車メーカーからの要求仕様に盛り込まれ始めており、部品メーカーなど関連会社の対応が活発化しています。

1.ISO 26262とは?

「ISO 26262」は自動車の電気・電子に関する機能安全についての国際規格です。

IEC 61508をベースとし、Part1~Part10で構成される規格。
車両総重量が3,500kgまでの量産乗用車に適用され、二輪車は現在のところ適用範囲外。

2011年11月の第1版正式発行以降、大手部品メーカーが対応をすすめていましたが、
ここにきて完成車メーカーからの要求仕様に、本規格への対応が正式に盛り込まれ始めており部品メーカーなどの関連企業で対応がさらに活発化しています。

2018年に第2版が発行される予定です。

2.背景

自動車は近年、機械的部分から電気・電子的に制御される部分が急速に大きくなってきています。制御の複雑化に伴い故障部位は増加し、誤動作の際の被害はますます無視できなくなってきています。

その一方で、より高機能・高性能な製品をより安価に得たいという社会のニーズはしばしば安全性と対立します。
こうしたニーズと安全性のバランスを確保する為に既にIEC 61508で国際規格化されていた機能安全の考え方を自動車産業に導入する為に作成されました。

さらに、既存システムをベースにした派生開発と機能安全対応を並行して対応しなければならないなど、様々な観点での対応に迫られています。


ISO 26262の概要図(出典:ISO26262-1、図1 Overview of ISO26262)